ICL
Implantable Collamer Lens
小さなレンズを目の中に入れて近視や乱視を治療する新しい視力矯正手術のことです。
一般に、目の中も水晶体を温存したままレンズを挿入する治療方法は、「有水晶体眼内レンズ(フェイキックIOL)挿入術」と呼びます。また、レンズを眼の中に入れることから「眼内コンタクトレンズ治療」と呼ぶこともあります。
フェイキックIOL(眼内コンタクトレンズ)の種類
フェイキックIOL(眼内コンタクトレンズ)は、使用するレンズの種類により主に2種類(前房型、後房型)あり、ICLは後房型フェイキックIOLで黒目(虹彩)の裏側である虹彩と水晶体の間の後房と呼ばれる位置にレンズを置き、毛様溝にレンズの両端を入れて固定します。
厚生労働省の認可を受けているのは後房型フェイキックIOLであるICLのみです。
ホールICL
2014年にICLの中央に0.36mmの穴を開けた、ホールICLが厚生労働省より認可されました。このホールICLは従来のICLより眼の中の水の流れをよくする効果があり、ICL手術前の虹彩切開術(LI)が不要になりました。また、術後の眼圧上昇や白内障のリスクの軽減につながると考えられています。
レーシックとの違い
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角膜を削らない手術
レーシックは、もともと矯正できる近視の度数に上限があり、また度数が強い人ほど多くの角膜を削ることになるため、見え方の質が低くなりやすいという欠点があります。ICLはレンズの度数の幅が広く
レンズの矯正精度も高いため、近視の強い人でも質の高い見え方が期待できます。 -
長期的に安定した視力
レーシックを受けた方の場合、一般に「近視の戻り」と言って、術後数年間で視力が少し近視気味に戻ってしまう傾向のあることが報告されています。またこの「近視の戻り」の傾向は、特に強度近視の方ほど顕著にみられます。ICLの手術を受けられた方の場合は、著しい「近視の戻り」は現在までのところは報告されてなく、長期的に安定しているという報告がほとんどです。
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ドライアイ
角膜を削るレーシックでは、フラップを作成する時に角膜の知覚神経が切断されるので、一時的にドライアイがおこりやすくなりますが、ICLではあまり起こりません。
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術後でも術前の状態に戻せる
ICLのレンズは、特別な理由がない限り交換する必要はなくそのままずっと目の中に入れておくことが可能です。万が一、術後に問題が生じた場合には、レンズを取り出して元の状態に戻すことができます。これはレーシックとは大きく異なる特徴です。
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強度近視でも矯正可能
角膜を削るレーシックでは、矯正できる度数に上限があります。ICLでは幅広い度数のレンズが用意されており、最強度の近視でも矯正することが可能です。
手術の費用
両眼660,000円(乱視用レンズ:760,000円)
適応検査費用:20,000円
2022年12月より、価格値下げしました。
※ICLは自由診療となります。(保険適応外)
- 手術代金には最終精密検査費用、手術後1ヶ月間の検診費用とお薬代が含まれます。
- 手術の3週間前までに代金をお支払いいただきます。
ICLのレンズは個々にオーダーするため、ICLレンズ発注後にキャンセルされた場合は、キャンセル料金が発生しますのでご注意ください。
アレルギー性結膜炎
目のアレルギーの症状としては、痒みが最も代表的なものです。その他、異物感や目やに、涙もよくみられます。抗アレルギーの目薬で治療しますが、症状が強い場合はステロイド薬を用いることがあります。
処方例
- 点眼:パタノール点眼、フルオメトロン点眼1日4回両眼
- 内服薬:アレグラ錠(60)2錠 朝・夕食後 14日分 大人
- 点鼻薬:アラミスト点鼻薬 1日1回 各鼻腔2噴射
上記処方の際、必ず医師の診察が必要です。
当院で可能な検査と治療
検査
原因となるアレルゲンの検索目的で血液検査を行います。
治療
抗アレルギー点眼薬、ステロイド点眼薬を処方いたします。花粉症の場合は、内服薬や点鼻薬を処方可能です。早めの点眼加療が症状軽減につながります。
翼状片
翼状片とは、白目の表面を覆っている半透明の膜である結膜が、目頭のほうから黒目に三角形状に入り込んでくる病気です。自覚症状としては充血、異物感などがあります。原因は不明ですが、高齢者に多く紫外線が関係しているといわれています。治療として充血や異物感がひどい場合は点眼治療を行いますが、瞳の近くまで伸びてくると手術が必要となります。
当院で可能な治療・手術
手術時間:約15分(再手術の場合は約30分程度です。)
初回手術
翼状片手術(有茎弁自己輪部移植)
再発に対する翼状片再手術
遊離自己輪部移植+マイトマイシンC併用
ドライアイ
涙の分泌量が減ったり、量は十分でも涙の質が低下することによって、目の表面を潤す力が低下した状態をドライアイと呼びます。
ドライアイの症状として、乾燥感、異物感、目の痛み、まぶしさ、目の疲れなどです。ドライアイの治療は、点眼薬、涙点プラグ(涙の出口である涙点に栓をして、涙の生理的な排出を人為的に遮断する)、コンタクトレンズ装用などを減らすことも一つの手です。目の異物感や目の疲れまたは見えにくさを感じたら、眼科を受診するようにしましょう。
ドライアイの症状
目の乾燥感だけでなく、異物感・目の痛み・まぶしさ・目の疲れなど、多彩な慢性の目の不快感を生じます。目を使い続けることによる視力の低下も起こります。
当院で可能な治療
- 目薬
ヒアレイン点眼液とジクアス点眼液、ムコスタ点眼液UDを組み合わせて処方します。また、症状がある程度強い場合、防腐剤を含まない点眼薬の使用や自己血清を点眼するなどを行います。 -
涙点プラグ
ある程度症状が強い場合には、涙点プラグ、液体コラーゲンプラグ(キープテイア)による涙道の閉鎖を上記治療に併用します。
ドライアイのセルフチェック
ドライアイの症状が気になる方は、セルフチェックを!
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Step.1
次の項目で該当する症状はいくつあるでしょうか?
- 目が疲れる
- 目が乾いた感じがする
- ものがかすんで見える
- 目に不快感がある
- 目が痛い
- 目が赤い
- 目が重たい感じがする
- 涙が出る
- 目がかゆい
- 光を見るとまぶしい
- 目がごろごろする
- めやにがでる
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Step.2
10秒間瞬きをせずに目を開けていられますか?
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診断結果
自覚症状で5項目以上チェックがあった、もしくは10秒間まばたきを我慢できなかった方はドライアイの可能性があります。一度、お近くの眼科医にご相談ください。
糖尿病網膜症
糖尿病網膜症は我が国での失明原因の第2位の病気です。血糖が高い状態が続くと、網膜の細い血管は少しずつ損傷を受け、変形したりつまったりします。
血管がつまると網膜のすみずみまで酸素が行き渡らなくなり、網膜が酸欠状態に陥るため、新生血管をはやして補おうとしますが、新生血管はもろいために容易に出血を起こします。出血すると網膜にかさぶたのような膜(増殖組織)が貼ってきて、これが原因で網膜剥離を起こすことがあります。
治療について
かなり進行するまで自覚症状がない場合もあり、見えているから大丈夫という自己判断は危険です。
糖尿病に罹っている方は目の症状がなくても、定期的に眼底検査(2ヶ月~6ヶ月毎)を受けるようにしましょう。
網膜剥離
網膜はものを見るための神経の膜です。網膜剥離とは何らかの原因で網膜が網膜色素上皮から剥がれてしまう状態のことです。
網膜剥離の分類
裂孔原性網膜剥離
網膜に孔が開いてしまい目の中にある水が孔を通って網膜に入り込むことで発生。特に近視や強度近視の方に多くみられる。
非裂孔原性網膜剥離
- 牽引性網膜剥離
眼内に形成された増殖膜、硝子体などが網膜を牽引することで発生。 - 滲出性網膜剥離
網膜内あるいは網膜色素上皮側から何らかの原因で滲出液溢れてきたために剥離してしまった状態。
網膜剥離の前駆症状として飛蚊症(小さなゴミのようなものが見える症状)や光視症(視界の中に閃光のようなものが見える症状)を自覚することがあります。
治療方法
裂孔原性網膜剥離の治療としてレーザーによる光凝固術や手術が必要になります。
網膜剥離は治療せずに放置した場合、失明する可能性の高い病気です。飛蚊症や光視症のような症状を自覚した場合には早めに眼科医の診察を受けることが大切です。
飛蚊症
視界にごみや虫のようなものが飛んでいるように見える症状を飛蚊症と呼びます。
ほとんどの場合は、加齢などの生理的変化によるものですから心配いりませんが、たまに網膜剥離など重篤な疾患の前触れであることがあるので注意が必要です。
飛蚊症の原因
飛蚊症の原因は、特に治療が必要でない「生理的」なものと、治療をしないと視力が傷害されることがある「病的」なものに分けられます。
生理的飛蚊症は完全に消えることはありません。慣れてくると、普段はその存在に気付かなくなります。飛蚊症を自覚したら、一度眼科専門医を受診することをお勧めいたします。